WINE LIFE + NAOfuku

アラフォー主婦がWSET diplomaを取るまで!

Specification を入手せよ

こんにちは!なおふくです。
今回は、WSET diplomaの傾向と対策を探るため、まずはSpecificationを入手し、Diplomaではどんなことが問われるのか、探ってみようと思います。
WSET diploma試験に興味のある方、難易度など知りたい方は是非ご覧ください。
(※あくまで、なおふく調べ、オリジナル翻訳なので間違い等あるかもしれません。参考としてご覧ください。)

Specificationとは?

Specificationとは、学習要項のことで、各ユニットごとに学ぶべきことが書いてある手引書のことです。
WSETの公式HPをみると、Candidateに登録していなくても、最新のSpecificationを誰でも手に入れることができます。
↓↓ WSETリンク ↓↓ 一番下までスクロールするとSpecificationのPDFがあります。
https://www.wsetglobal.com/qualifications/wset-level-4-diploma-in-wines/

で、英語が苦手な私は、google先生に頼りまくりで翻訳、翻訳…
文明の発達によって、今の時代なんとかなるもんです笑 ありがたや~

Specificationには、学習すべき項目や、飲むべきワイン(テイスティング試験に備えて)、試験の出題形式などについてザックリと書かれています
細かい内容はCandidateに登録すると教科書や課題等がオンライン上で確認でき、各ユニットの試験日までに自分で勉強を進める、ということになります。

試験は、英語による筆記が多く、専門用語オンパレードです。そのため、英語の文献を読み慣れること、もっと世界のワイン情報に触れること、これが今の私には必要かなと思いました。

全6ユニットの内容*1

Diplomaは全6ユニットからなり、各試験毎にウェイト(学習にかかる分量)が違います。

  • D1 ワイン生産      20%
  • D2 ワイン事業      10%
  • D3 世界のワイン     50% (テイスティングあり)
  • D4 スパークリングワイン 5% (テイスティングあり) 
  • D5 酒精強化ワイン    5% (テイスティングあり)
  • D6 研究課題       10% 

こう見るとD3が50%と、半分を占めています。D3では、ブドウ栽培、醸造、ワイン法、ワインビジネス、ワインのスタイル、品質、価格と、ワインの製造から流通、消費に至るほぼ全てが学習範囲となっています。←全部じゃん!(泣)
D1、D2と内容がかぶっていそうですが、より個々の産地の特筆すべき事情を把握せよ、ということなのでしょう。
そして学習すべき産地も、新旧世界ほぼ全部。(泣)
プラス中国ってところが「おっ!?」って感じですかね。

そして驚くべきはD3のテイスティング
Specification見て愕然としました…!
だってこれ、ほぼ全世界、全産地の、全色、全グレード飲んどけ!ってことみたい。。(号泣)
こ、これが、お金がかかるっていう所以なのでしょう。


ここからは各ユニットの内容について詳しくみていきます!

D1 ワイン生産

1.ブドウが成熟するために必要なものと、栽培環境がブドウの生産と成熟にどのように影響するかを理解する。

  • つるの構造を説明せよ。
  • ブドウの成分が成熟過程でどのように発達するかを説明せよ。
  • ワインの生産に適したブドウを生産し、成熟させるための、ツルの成長サイクル全体における環境条件を説明せよ。
  • 成長する環境が、ブドウの生産およびブドウの成熟にどのように影響するかを説明せよ。

2.ブドウ栽培の選択肢を理解する。

  • ブドウ栽培へのさまざまなアプローチを説明せよ。
  • ブドウ園の設立における考慮事項を特定して説明せよ。
  • ブドウ園管理オプションについて説明せよ。
  • ブドウ園の管理オプションが成長する環境にどのように関連しているかを説明せよ。
  • ブドウ園の管理オプションがブドウの生産と成熟にどのように影響するかを説明せよ。
  • さまざまなスタイル、品質レベル、価格のワイン用のブドウを生産するツルの能力に影響を与える可能性のあるブドウ園管理オプションを評価する。

3.ワイン造りのオプションと、それらがワインのスタイル、品質、価格にどのように影響するかを理解する。

  • ワインの成分がワインのスタイルにどのように寄与するかを説明せよ。
  • 赤、白、ロゼワイン、および甘口ワインのワイン造りの選択肢を説明せよ。
  • ワインのスタイル、品質、価格に影響を与える可能性のあるワイン製造オプションを説明し、評価せよ。
  • ワインの欠陥と品質管理手順を説明せよ。

D2 ワイン事業

1.ワインの価格に寄与する要因を理解する。

  • 需要と供給がワインの価格にどのように影響するかを説明せよ。
  • ブドウ栽培、ワイン製造、輸送、輸入、販売およびマーケティングに関連するコストがワインの価格にどのように影響するかを説明せよ。
  • 法律と為替の変動がコストにどのように影響し、これらの影響をどのように制限できるかを説明せよ。

2.ワイン生産に従事するビジネスの種類と、ワイン販売のPOSオプションを理解する。

  • ワイン生産に従事するさまざまな種類の事業を評価せよ。
  • ワイン販売におけるPOS( point of sale)のさまざまなオプションを評価せよ。

3.ワインのマーケティングにおける重要な考慮事項を理解する。

D3 世界のワイン

1.栽培環境、ブドウ栽培オプション、ワイン製造オプション、ワイン法と規制、およびワインビジネスが世界の主要なワインのスタイル、品質、価格にどのように影響するかを理解する。

  • 主要な産地のワインを、スタイル、品質、価格の観点から説明せよ。
  • 主要な産地のワイン生産に関する栽培環境、ブドウ栽培オプション、およびワイン製造オプションについて説明せよ。
  • 栽培環境、ブドウ栽培オプション、ワイン製造オプションが、主要な産地のワインのスタイル、品質、価格にどのように影響するかを説明せよ。
  • 主要な産地のワインのスタイル、品質、価格に影響を与える可能性のある栽培環境、ブドウ栽培オプション、ワイン製造オプションを評価せよ。
  • 栽培環境、ブドウ栽培オプション、ワイン製造オプションの観点から、主要な産地のワインのスタイル、品質、価格を比較せよ。
  • ワインの法律と規制、およびワイン事業が、主要な産地のワインのスタイル、品質、価格にどのように影響するかを説明せよ。
  • 主要な産地からPOSまでワインを入手するためのさまざまなオプションを評価せよ。

2.主要な産地のワインを正確に味わい、評価する能力を実証する。(テイスティング)

  • WSETレベル4の体系的なワインテイスティングアプローチを使用して、主要なワイン産地のワインを説明および評価せよ。

D4 スパークリングワイン

1.栽培環境、ブドウ栽培オプション、ワイン製造オプション、業界団体とラベリング用語について理解する。
また世界の主要なスパークリングワインの価格について理解する。ワインビジネスがスタイル、品質にどんな影響を与えるか。

  • スタイル、品質、価格の観点から、主要なスパークリングワインについて説明せよ。
  • 主要なスパークリングワインの産地における栽培環境、ブドウ栽培オプション、ワイン製造オプションについて説明せよ。
  • 主要なスパークリングワインの産地における栽培環境、ブドウ栽培オプション、ワイン製造オプションが、スタイル、品質、価格に影響を与えるか説明せよ。
  • 栽培環境、ブドウ栽培オプション、ワイン製造オプションの観点から、主要なスパークリングワインのスタイル、品質、価格を比較する。
  • 業界団体、ラベリング用語、ワイン事業が主要なスパークリングワインのスタイル、品質、価格にどのように影響するかを説明せよ。

2.スパークリングワインを正確に味わい、評価する能力を実証する。(テイスティング)

  • ワインの試飲に対するWSETレベル4体系的アプローチを使用して、主要なスパークリングワインを説明および評価せよ。

D5 酒精強化ワイン

1.栽培環境、ブドウ栽培オプション、ワイン製造オプション、業界団体と表示用語、およびワイン事業が、世界の主要な酒精強化ワインのスタイル、品質、価格にどのように影響するかを理解する。

  • スタイル、品質、価格の観点から、主要な酒精強化ワインについて説明せよ。
  • 主要な酒精強化ワインの生産に関係する栽培環境、ブドウ栽培オプション、およびワイン製造オプションについて説明せよ。
  • 栽培環境、ブドウ栽培オプション、ワイン製造オプションが、主要な酒精強化ワインのスタイル、品質、価格にどのように影響するかを説明せよ。
  • 栽培環境、ブドウ栽培オプション、ワイン製造オプションの観点から、主要な酒精強化ワインのスタイル、品質、価格を比較せよ。
  • 業界団体、表示用語、ワイン事業が主要な酒精強化ワインのスタイル、品質、価格にどのように影響するかを説明せよ。

2.酒精強化ワインを正確に味わい、評価する能力を実証する。(テイスティング)

  • ワインの試飲に対するWSETレベル4体系的アプローチを使用して、主要な酒精強化ワインを説明および評価せよ。

D6 研究課題

1.特定のワイン関連の主題を調査する。

  • 関連する資料を使用して、指定された主題に関する知識と理解を示す。
  • 関連する資料を評価して、アイデアと議論を展開し、情報に基づいた結論を導く。
  • 課題概要に記載されている論文作成の基準に従って、論文を作成する。

※出題形式:各年度の8月1日にリリースされる2つのテーマについて3,000語の論文を提出する。研究課題はSpecificationの範囲外である可能性もあり、電子教科書以外のツールで研究することを期待する。
《提出期限》
テーマ1:同じ年度内の1月31日。
テーマ2:同じ年度内の7月31日。

Diploma合格に必要な勉強時間

Specificationによると、全6ユニットを合格し晴れてDiploma holderとなるには、最低500時間の学習時間と372時間の研究時間が必要と書いてあります。
これは、あくまで英語ネイティブの人の話なので、私はその倍以上の時間がかかってもおかしくないということでしょう。。。
具体的に学習時間を計算してみると…
ネイティブ平均学習時間 500時間+372時間=872時間 
非ネイティブ(私なら…)  872時間×2(倍)=1744時間 
これって例えば毎日3時間きっちり勉強して全部一発合格したとして581日! つまり1年7か月。
いやいや、ちょっと待って!1年7ヶ月で取れたら早すぎでしょ。そんな順調にいくわけないよ。。
実際にはドロップアウトしてしまう人が多いというDiploma。非ネイティブの日本人なら、3年で取れれば御の字というところのようなので現実は、さらにこの倍の時間をかける必要がありそうですよね。
だとすると1年7ヶ月の2倍、うん、これでちょうど3年くらいになりますかね…。
ムリヤリ計算してみたわけですが、こうした数字だけでは表せない険しい道なのでしょう。

各ユニットの合格基準

各ユニットの正答率は55%以上でPassとなります。

ただし!D4、D5は筆記とテイスティングの合計で55%以上の正答率でPassとなるようです。
なんと、筆記、テイスティングのどちらかの正答率が45%だったとしても、合計で55%以上の正答率となればPassとなります。
言い換えるとカバーできるのは45%まで。それ以下の場合は認めないということのようです。
テイスティングが強い方は、筆記の得点ををカバーできるかもしれませんね!

一方、難関と言われるD3は筆記、テイスティングの両方で55%以上の正答率でないとPassできないみたいです。

ただ、Diploma まで行く志があるなら、やはりPass<Merit≪Distinctionですよね〜
ぜひDistinctionを目指して頑張りましょう!!

まとめ

Specificationの大まかな部分だけ、ざっと翻訳してみました。いかがでしたか?
「こりゃ大変だぁーー(絶望)」、「意外と簡単そう!」、「やってみたい!」などなど、いろいろな感想がありそうですね。
Specificationにはここには載せきれない試験に関する細かい情報がもっともっと載っています(例えば、テイスティングで飲むべきワインの具体例。栽培、醸造に関するもっと細かなチェックポイントなど)。
そしてどのユニットでも「環境、栽培、醸造が、ワインのスタイル、品質、価格にどのように影響するか」というテーマが一貫していることがわかります。これはWSETの他のLevelでも共通していることですよね。
Diploma挑戦者の先輩方が、「Level2の教科書が分かりやすくまとまっていて役に立った」とおっしゃっているのをよく拝見します。それはこうした基本をしっかり押さえるという考えがWSETの根幹だからなのでしょう。
大変そうですが、Diplomaに挑戦すると、これまでより深くワインについて理解できることはもちろん、世界規模で考えること、自分で情報を精査すること、そんな力も身に付きそうですね!
私はなんだかワクワクしてきました!

*1:2022年6月現在、WSET公式HPより、なおふく調べ